昨日の、イオンのエレベーターです。

「あける」「しめる」という文字表示を後から貼り付けてあります。
こちらは先週出かけた施設のエレベーターです。

どちらも、「開ける」を緑色にしている点が、多少なりとも分かりやすくしています。さらに偶然にも
◄と►を並べたタイプの表示ですが、やはりこれは分かりやすいとは言えません。どうしてでしょう。
「開く」を示すはずの「◄►」は、三角が一塊になっていて「閉める」のイメージを持たせます。
一方、「閉じる」を示すはずの「►◄」には空白が多くてできて、逆に「開く」のイメージがあります。
この図も面白いと思います。
確かにさなぎと、羽を広げたチョウの印象もあります。しかも、それがさなぎとチョウの与えるイメージと逆の動作を示すというのが皮肉です。
私と同じ考え方が
http://kwaka1208.net/improvement-of-elevator-button/
でも述べられています。
このボタンが誤解される最大の原因はアイコンにある、と考えています。
(図)
このアイコンが示したいものとして、真ん中の棒はドアが閉まった時に合わさる位置であり、▲の向きでドアの動く方向を示しているものと思われます。方向を表しているという意味では理解できるのにとっさにそれが判断出来ないのは、このアイコンから受ける印象ではないかと考えています。
縦棒を中心に見た時に左側のアイコンは棒の周囲にスペースが少なく詰まった印象、右側のアイコンは棒の周囲に空間が空いていて空間的な余裕、つまり開いている感じがしませんか?これが逆の印象を受ける理由だと思うのです。
扉の動く方向を示すよりも、扉が「開いた状態」「閉じた状態」を示した方がいいのではないでしょうか。
その考えに基づいた図が
http://www.geocities.jp/shuuchan56/kaiheibutton.html
にあるこの図です。
同サイトでさらに示している具体例がこれです。

ただ、文字を見ると分かりますが、小さな文字が見にくいのと、文字がないと分かりにくい、という点が気になります。
さらに同じサイトで引用をしている外部サイトの図があります。

文字なしで、扉の状態が主体となっており、分かりやすいと思います。
これに近い物がすでに作られているようです。
日立ビルシステムでも工夫をしているようですが、あまり効果はないように思います。

(「押し間違いを防ぐために大きさに差をつけた開閉ボタン」という説明がありますが…。)
ところで昨日の、「久米宏 ラジオなんですけど」のゲストが、株式会社オリエンタル工芸社の社員でした。
この会社は、何とエレベーター用のボタンを中心に製造・販売をしている会社ということでした。
主要な大手のエレベーター会社は全ての必要な部品類を自前で調達するのですが、それ以外の会社のボタンや、特注のボタンを作っているようです。
残念ながら、開閉ボタンの話題は出ませんでしたが、タッチ式のボタンは誤動作が多いので機械式のストロークのあるボタンのみ作っていることなど、興味深い話を聞くことが出来ました。
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エレベーターの開閉ボタン(1)
エレベーターの開閉ボタン(2) (今回の記事)
エレベーターの開閉ボタン(3)