http://news.livedoor.com/article/detail/10427470/
タモリが、「『お疲れ様』というのは、元来、目上の者が目下の者にいう言葉。これをわかっていないんですね」と力説し、民放連(日本の民間ラジオ・テレビ業者が所属する団体)が子役に「お疲れ様」といわせないよう申し入れをすべきだとまで提言したのだ。
これに関して、宮沢りえも含め、出演者は「なるほど」という感じで、反論・否定する人はいませんでした。この番組で(あるいは他の番組でも)、タモリの発言に異を唱えることはできないのでしょうね。
私自身は、タモリの発言に「え?」と思いました。
「『ご苦労様』も『お疲れ様』も、目上の人に対しては使えない」という発言の趣旨だったからです。
私は、「『ご苦労様』は目上の人が使い、『お疲れ様』は目下(?)の人が目上の人に対して使う」と覚えて、実際そのように使い分けてきました。出所は…インターネットです。
改めて検索してみても、そのように記述してあるページはたくさんあります。
番組でのタモリの発言に「あれ?」と思いつつ、一つ私が思ったのは、「彼は、先輩に会った子役がいきなり「お疲れ様」はないだろう」という趣旨で言ったのではないかということです。どんな仕事を先輩がしたのかも知らずに、「お疲れ様」ということ自体が形式的であることを批判したのではないかと思ったのです。
ただ、他の出演者の「なるほど」というような発言に押されてか、「『ご苦労様』も『お疲れ様』も目下の人は使えない」というようなことを再度、言ってしまったように記憶しています。
仕事を終えた者と、これから仕事を始める者とが顔を合わせるような場面の多い芸能界のことはともかく、一般の一緒に仕事を始めて、ほぼ一緒に終える場面での、別れの挨拶、とりわけ慰労の挨拶はどう言うべきなのでしょうか。
私の場合、仕事の後にはみな疲れているのですから、通常は特別に慰労の言葉は使わず、先に帰るなら「お先に失礼します」、送り出す方なら「ごめんください」です。特別な仕事があっての後ならば、誰に対しても「お疲れ様でした」と言うことにしています。
言葉の使い方やマナーについて、インターネットで学ぶ時代となっています。(従来とは異なる、間違えた)マナーでも、誰かが言い出すとそれが「正しいこと」としてどんどん広がり、圧倒的多数派となりうるのですから、本当は何が正しかったのかが分からなくなってしまいます。
日本語教育研究者で山形大学地域教育文化学部准教授の園田博文氏はこう話す。http://news.livedoor.com/article/detail/10427470/
「『ご苦労様です』『お疲れ様です』というのは、本来、人をねぎらう言葉。目上の人が使うのが伝統的で、目下の人が目上の人に使うのは失礼にあたります」
片や
「ビジネスマナー講習で『ご苦労様』は失礼だから、『お疲れ様』を使えと教わったのに」(20代男性)http://news.livedoor.com/article/detail/10427470/
私が気にして、嫌韓の人たちからよくリンクされる「変なお辞儀」も、女性CAなどが手を交差させてお辞儀をしていたのが、勝手に「ていねいなお辞儀」として広まっていったと思われます。
「ビジネスマナー講習会」の講師の発言もあてになりません。
やたらと「〜させていただきます」とくっつけて、必要以上に「丁寧」を強調する傾向も私は嫌なのですが、さて、タモリの発言で、「お疲れ様」の使い方は変わっていくのか、変わらないのか…。