2015年08月18日
瀕死のUSBフラッシュメモリー
遠方に住む知人から「困った。助けてほしい」という電話が来ました。メールでなく、電話で、という時点ですでにその知人がPCに疎いことが分かりますが、だからといって与えられた問題解決は簡単ではありませんでした。
彼「USBが読み取れないときがあるんです」
私「USBの何ですか」
彼「USBメモリーです」
私「いつ完全に駄目になるか分からないから、もうそれは使わない方がいいですよ」
彼「大切なファイルがあるので、使わないわけにいかないんです」
私「ハードディスクにあるファイルを別のUSBフラッシュメモリーに入れて、もうそのメモリーは使わないってことです」
彼「全部そのUSBに入っていて、ハードディスクにはないんです」
私「じゃあ、修復をして、ハードディスクにコピーをすることになります」
私は修復ソフトを使うか、業者に頼むのいずれかの選択をすることになると説明をしました。
数日後に再び電話があり、「説明を読みましたが、修復ソフトは使えそうもありません。業者に電話をしましたがやりとりが大変そうで…」。さらに話していると、「根本の銀色のところがカクカクしていて…」とのこと。
何と!読み取り不良はソフトウェア的な原因ではなく、コネクター部分の破損によるものだとようやく分かりました。
「前よりもどんどん酷くなって…」。そりゃそうです。抜き差しする度に状態は悪くなるはずです。
「直してもらえませんか?」
ということで、その瀕死のUSBフラッシュメモリーを郵送してもらうことにしました。
届いたUSBメモリーを丁寧に開封し、恐る恐るPCのUSBソケットに繋いでみましたが、PCの反応がありません。
さらに恐る恐るコネクターの根本をカクカクと動かしてみると、ときどきアクセスランプが点灯します。「ときどき消える」のではなく「ときどき点灯です。」
しかも、かなり曲げた状態です。
これでは、点灯した状態で作業をするのは困難です。ということで、対策を考えました。
1 USBメモリーをPCに直接繋いだ状態では角度調整がにしくいので、USBの延長ケーブルを使ってPCから離れた場所で角度調整をする。
2 適切な角度を保つために、延長ケーブルのメスとUSBメモリーを台座に固定して、その台座を曲げて適切な曲げ角度を保つ。要するに「治具」を作るということです。急がば回れ、です。
3 微妙な曲げ角度を見つけるために、ビスとナットを利用して曲げ角度を調整する。
その方針で、身の回りにあるあり合わせのものを使って、次のような治具(写真に写すのなら、もう少しきれいな仕上がりにすれば良かったと後悔)を用意しました。
材料は、ダイソーで買ってあった「曲がる定規」と、紐、ビスとナット、セロテープ。以上です。
紐(黄色の部分)で引っ張っておおよその角度まで定規を曲げメモリーのコネクター部に角度を付け、さらにビス・ナット(赤の部分。あり合わせなので特殊な形状)を回して、引っ張り具合を微調整して、赤ランプが点灯するところを探しました。
赤ランプが点灯してからは、PCにUSBメモリーを認識させ、中のフォルダー・ファイルをPCのHDDにコピーをしていきました。
ちょっと驚いたのはそのファイル数です。200,000近くありました。こんなにたくさんの「大切な」ファイルをたった1本のUSBメモリーに保存し、バックアップも取らず、しかも「カクカク」になったあとも使い続けた、ということです。
ちょっと困ったのは、原因はよく分かりませんが、「高速なUSBディバイスでない」という時々見かける表示が出てしまったことです。USB2.0よりもさらに低速なコピーをする羽目になりました。ただ、抜き差しはしたくありません。次の作業で認識しなくなるかも知れないからです。時間がかかってもいいので、無難な道を選びました。
コピーを始めると予想作業時間は8時間と表示されました。まあ、それでも構いません。
ただ、コピーの途中で新たな問題が発生しました。「対象のパス名が長すぎます」というエラーが出たのです。かつてのMS-DOSの8+3文字というファイル名の制限がある者には考えられないような、30文字もあるようなファイル名やフォルダー名がこのUSBメモリーの中にはたくさんあるのです。しかも階層がかなり深くなっています。
とはいえ、現にUSBメモリーの中には現に収まっているわけです。
…分かりました。HDDへのコピーに際して、私はデスクトップ上にBackupというファオルダーを作ってその中にUSBメモリー中のフォルダー・ファイルをコピーしようとしたのですが、それはパス名として、
D:\users\xxxx\desktop\Backup
という文字列を持ちますから、パス名全体がさらに長くなります。
ということで、HDDのコピー先を
D:n\
というフォルダーにコピーをすることにしました。
しかし、これでうまく行ったわけではありません。
これでも「パス名が長すぎる」のエラーが出てしまいました。元のパスと比べて僅かに2文字長いだけなのに。
やむを得ず、パス名が長すぎるファイルはスキップして、あとでファイル名を短くしてコピーをすることにしました。ファイル数も多く、階層も深くてスキップした6つのファイルを探すのが大変でしたが、ようやく見つけ出し、コピーを完了しました。
HDDとUSBメモリーの両方のプロパティに、ファイル数182,631、フォルダー数22,123の共通の数字がようやく現れました。
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