2015年10月08日

 QPBGMのレコード

 キユーピー・バックグラウンド・ミュージックのレコードというものがあります。CDではなく、「LPレコード」です。私の知る限り2枚なのですが、そのうちの2枚目を記録のためにスキャンしてみました。

qpbgm_rec_01.jpg


qpbgm_rec_02.jpg


 前のレコードの時もそうだったのですが、番組名が「キユーピー・バック・グラウンド・
ミュージック」になっています。「バック・グラウンド・ミュージック」ではなく、「バックグラウンド・ミュージック」なのですが。




 ジャケットに印刷された英語の表記も、"Kewpie Back Ground Music"です。"Background Music"としてほしかったなぁ。Vol.1の発売後に誰もレコード会社に言わなかったのでしょう。

 さて、ジャケット裏面のライナーノートを読み取ってみました。

 日曜日の午前10時、アルフレッド・ハウゼ・
オーケストラの“ミリタリー・タンゴ”をテ
ーマとして、全国28の放送局から一斉に放送
される“キューピー・バック・グラウンド・
ミュージック”も、放送開始以来16年目を迎
えました。
 今、大学の4年にいる人が丁度小学校の1
年に入学し、初めての夏休みを迎えた昭和39
年が、この番組の生まれた年です。
 昭和39年といいますと、6月にマグニチュ
ード7.7の“新潟地震”があり、10月には東海
道新幹線が営業を開始、そして東京オリンピ
ックが開催された年でした。この年の2月の
新聞に「“入試不安で登校がいやになった”“眠
れない”などの、いわゆる学習ノイローゼ症
状を訴えてくる高校生が多くなったので、神
戸市立教育研究所が“学習ドッグ”を開き、
診断と治療をする」という記事がありました。
受験生にかぎらず、現代人には大なり小なり
ノイローゼ的な症状に悩まされている人が数
多くいますが、高度成長の社会のひずみがも
うこの頃から人々の心をむしばんでいました。
 そうした人々の緊張感をやわらげ、心にや
すらぎを与えると共に、仕事から開放された
日曜の朝ぐらいは気分爽快にすごしていただ
こうという意図で考えられたのが、“キュー
ピー・バック・グラウンド・ミュージック”
です。
 ですから、お聞きになっておわかりのよう
に、ディスク・ジョッキー番組につきものの
おしゃべりは全くありません。そして耳ざわ
りのよい音楽をたっぷりお聞きいただこうと
いう番組に作りあげました。
 この番組の作り方については、5月に発売

されました“キューピー・バック・グラウン
ド・ミュージック”(バークレー GP697)で
書きましたので、ここでは省略します。
 さて前回に発売されましたレコードは、レ
ーモン・ルフェーヴル・グランド・オーケス
トラ、ジャン・クロード・ボレリー、ダニエ
ル・リカーリ、アンドレ・ベニショー、ジュ
リアン・バレー・オーケストラという豪華な
顔ぶれで好評でしたが、今回は前回にまさる
超豪華な顔ぶれを揃えてみました。
 このレコードのアーティストをご紹介しま
すと、イギリスのムード・ミュージックの雄
フランク・チャックスフイールド・オーケス
トラ、ドイツのポップ・ミュージックの人気
者ノーマン・キャンドラー・オーケストラ、
再三の来日でおなじみのドイツのウェルナー・
ミューラーとイギリスのスタンリー・ブラッ
クのオーケストラ、華麗なピアノでおなじみ
のロニー・アルドリッチ、ギターの名手ヘラ
ルド・ウインクラー、トランペットのホルス
ト・フィッシャーという、現在イージー・リ
スニング・ミュージックではもっとも人気の
あるアーティスト達です。
 そして、これらのアーティストの18番のナ
ンバーを集め、番組と同じような選曲をした
のがこのレコードです。
 日曜の朝の番組をお聞きになるようなお気
持でお楽しみください。
 そして日曜の午前10時、ラジオのダイヤル
をあなたがお住みの局にあわせて“キューピ
ー・パック・グラウンド・ミュージック”を
お聞きください。
 現在放送している局は次の28局です。
 東京放送(TBS)、札幌テレビ放送(STV)、青森

放送(RAB)、東北放送(TBC)、山形放送(YBC)、
ラジオ福島(RFC)、山梨放送(YBS)、新潟放送{B
SN}、信越放送(SBC)、静岡放送(SBS)、中部日
本放送(CBC)、北陸放送(MRO)、福井放送(FB
C)、和歌山放送(WBC)、毎日放送(MBS)、山陰放
送(BSS)、山陽放送(RSK)、中国放送(RCC)、
山口放送(KRY)、西日本放送(RNC)、四国放送(J
RT)、南海放送(RNB)、アール・ケー・ビー毎日放
送(RKB)、長崎放送(NBC)、熊本放送(RKK)、
大分放送(OBS)、南日本放送(MBC)、琉球放送(R
BC)。
 さあ。テーマ音楽と今井とも子さんの洒落
たコマーシャルはありませんが、レコードの
 “キューピー・バック・グラウンド・ミュー
ジックをスタートさせましょう。
 まず1曲目は、バリー・ホワイトとラヴ・
アンリミテッドによって大ヒットした“愛の
テーマ”。きらびやかな演奏を聞かせてくれる
のはノーマン・キャンドラー・オーケストラ
です。
 刑を終えて久しぶりに帰ってきたわが家で
見たものは……2曲目は1973年のヒット曲“幸
せの黄色いリボン”ロニー・アルドリッチの
歯切れのよいピアノが心を浮きたたせてくれ
ます。
 そして3曲目は、1965年のサン・レモ音楽
祭の入賞曲で、ダスティ・スプリングフィー
ルドやエルヴィス・プレスリーに歌われて大
ヒットしだ“この胸のときめきを”ヘラルド・
ウィンクラーの小節のきいたギターが、せつ
ない恋心を訴えます。
 針は4曲目に入ったようですね。流れてき
たメロディーは、おちぶれた老道化役者と美
しいバレリーナとの物語のテーマ音楽、とい
えばおわかりでしょう。チャップリンの名作
“ライムライト”です。フランク・チャック
スフィールド・オーケストラは、1953年にこ
の曲でミリオン・セラーズ・レコードをだし
ています。
 さて、静かな演奏のあとは、ウェルナー・
ミューラー・オーケストラのカラフルなサウ
ンドに変ります。曲は1969年のサン・レモ音
楽祭の参加曲ですが、カンツォーネというよ
りも、トム・ジョーンズの18番のナンバーと
しておなじみの“ラヴ・ミー・トゥナイト”。
 曲は早くも6曲目に入りました。 1967年の
ユーロビジョン・ソング・コンテストで入賞
して大ヒットとなった“恋はみずいろ”ホル
スト・フィッシャーのトランペットの澄んだ
音色がさわやかな恋を感じさせます。
 さて、A面のラスト・ナンバーは、1968年
のサン・レモ音楽祭の入賞作“愛の花咲くと
き”ロニー・アルドリッチのピアノがロマン
ティックな愛のムードを作ってくれます。
 ここまでの曲の流れ、いかがでしたか。ム
ードがよかったらひきつづきB面の方をお聞
きください。
 さてB面のトップは、貴族の青年将校とサ
ーカスの娘との悲しい恋物謡“みじかくも美
しく燃え”です。モーツァルトが作曲したピ
協奏奏曲のメロディーをアダプトしたこの
曲を、ロニー・アルドリッチが美しく悲しく
聞かせてくれます。
 曲は変ってカンツォーネです。1971年のサ
ン・レモ音楽祭で入賞しだ“薔薇のことづけ”
ワルツと8ビートをうまく使ったヘラルド・
ウィンクラーの見事な演奏が魅力的です。
 そして3曲目、今度はスタンリー・ブラッ

クとオーケストラの演奏です。曲はシンガー・
ソング・ライターのモリス・アルバートが1975
年にヒットさせた“フィーリング”です。
 ロマンティックなメロディに代って陽気
なナンバ−の登場です。ミュージカル「マイ・
フェア・レディ」から“一晩中踊れたら”ノ
ーマン・キャンドラー・オーケストラのサウ
ンドの楽しさをたっぷりお楽しみください。
 針は5曲目にすすみます。二人が出会った
町、二人が知りあった夜、そしてあなたの言
葉、私はみんな好き……メキシコのアルマン
ド・マンサネーロが1967年にヒットさせた“ア
ドロ”です。恋のムード作りはヘラルド・ウ
ィンクラーにおまかせください。
 恋のムードに酔った後は失恋の歌というの
は一寸変でしょうか。曲は1976年のユーロビ
ジョン・ソング・コンテストの優勝曲“想い
出のラスト・キッス”ロニー・アルドリッチ
のピアノとオーケストラです。
 いよいよこのアルバムのラスト・ナンバー
になってしまいました。ベートーヴェンが作
曲した「第9交響曲の第4楽章」からアダプ
トしだ喜びのシンフォニー”がこのアルバ
ムのラストを飾ります。演奏はウェルナー・
ミューラー・オーケストラです。
〈植木 文朗〉

<キユーピーマヨネーズのロゴ>

SERIES DIRECTION : FUMIO UEKI/TBS
SPECIAL THANKS TO : KEWPIE MAYONNAISE KEWPIE BACK GROUND MUSIC
FRONT COVER PHOTO : HIRO MUNETOMO
BACK COVER PHOTO : SHINJI MAEDA
ART DIRECTION : GORO KUNISADA DESIGN : TOSHIKAZU TANAKA
DISTRIBUTION KING RECORD CO., LTD. MADE IN JAPAN



posted by kewpie at 09:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽
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