
ニュース記事を読んでいたら、「ヒール」という言葉に出会いました。
漫画家の倉田真由美さんが分析する。「漫画で言うところの『キャラ』が立ってないんです。ヒール(悪役)にもなれないし、主役にもなれない」。
初めて聞く表現なので、調べてみました。
「ヒール」がheel(かかと)という単語なのはすぐに分かりましたが、私がさらに知りたいと思ったのは「どうしてheelが「悪役」という意味で使われるようになったのか」です。
ヒントは、悪役という意味で「ヒール」という言葉がありま にありました。
インフォシーク カタカナ語辞典より・・・
ヒール3 [heel(げす)<shitheel]
悪玉プロ‐レスラー.悪役.〈現〉
英語です。最近使われだした言葉です。しかもあまりきれいな言葉使いではないようです。
これ自体、引用ですが…。
今度はshitheel自体を調べてみました。
ここまで来ると日本のサイトは少ない(アルファベットだから当然か)のですが、やはり意味は分かっても語源に触れられていません。
目に留まったのは、Old West slang.... でした。
What exactly was a "shit heel'?
"shit heel"は本当は何だったのか。
という質問に対して、
This is just off the top of my head: could it be referring to a farmer or someone who walked behind a plow - and would have stepped in animal shit - instead of riding a horse? I'm only basing that on the whole "cowboy vs. farmer" myths that we all grew up on.
よく覚えていないんだけど、鋤(すき)の後ろを歩くお百姓さんか誰かが、馬に乗らずに動物のう○こを踏みつけちゃったってことだったかな。
I've always heard "shitheel" used to describe a worthless, sort of dirty person, someone who has so little respect for themselves and others that they don't wipe the manure off their boots.
私が"shitheel"という言葉を聞いたときには、いつも「価値のない、ちょっと汚い人、自尊心を持たない人、あるいは、靴に付いた肥やしを取り去らないような人という意味で使われていました。
Heh, i'm one of the very few people who use shitheel in the Home Counties. It's general modern usage simply refers to a contemptible individual - not much etymology wise i'm afraid, though some sources have the term pegged as a slur aimed at black servants in USA's southern states...
ボクは、shitheelという言葉は滅多に使わないHome Countiesの人たちの一人です。卑劣な人間を指すのは近年広く使われている用法です。語源について私はあまり知識はありません。ただ、アメリカ南部の州で黒人の召使いを侮辱的に指す語として使う場合もあります。
僅か3人の返答ですが、疑問を持った投稿者も含め、だれも自信を持ってshitheelの語源を言える人はいないようです。日本語でも、語源が分からず使っている言葉は無数にあるのと同じです。
最初の人の回答がすっきりしていて私は気に入りましたが、あまりに単純で、言葉そのものから考えた想像に過ぎないとも思えます。
実は、日本国内でshitheelの語源に触れているページもあります。
もともと「ヒール」と言う語自体「卑怯な奴」という意味合いを持ち、それがプロレスに転用されたようです。その由来なのですが聖書にあるようですね。聖書の一番最初の話、アダムとイブが蛇に唆されて「知恵の実」を食べてしまい、エデンの園を追放される話(いわゆる「失楽園」)がありますが、そのとき神は蛇と人間に対して「人間は蛇の頭を砕き、蛇は人間の踵を砕く」と宣します。そこに「踵に食らいつく蛇」=「狡猾なもの」というイメージが生まれ、悪人そのものを「ヒール(踵)」と呼ぶようになったようです。アメリカはキリスト教文化圏ですからね。また、踵は「常に踏みつけられる場所」であり、「悪人は踵のように踏みつけられる存在」という意味合いもあるようですが。
見事な回答に思えますが、残念ながら"shitheel"については全く触れられていません。
また、インフォシーク カタカナ語辞典では、heelが突然生まれたのではなく、
[heel(げす)<shitheel]
と、shitheelが元であるという記述をしています。(ただし、インフォシーク カタカナ語辞典 http://dictionary.www.infoseek.co.jp/ 自体は、すでに存在しません。)
ま、「いろいろな考え方があり、定説はない」という結論になりそうです。