2016年06月08日

再び「波ダッシュ」を考える

 昨夜、WEB用の原稿がメールで届きました。いつものように目に留まったのが、全角波ダッシュ「〜」です。今では、波の形はめでたく「上・下・(上)」となっていますが、ドットフォントではきれいではありません。
 そこでいつものように、全角チルダ「〜」に置き換えてしまいました。

wavedash01.png


 どう見ても、全角チルダ「〜」の方がきれいです。

wavedash02.png


 よく(いや、時々)、長音記号「ー」の代わりにマイナス「−」を使う人がいますが、これをワープロソフトで縦書き表示にすると、縦の長音記号にならず、水平方向に伸びた状態で変わりません。
 そんなこともあって、私の方針として「見た目ではなくて、本来の文字の趣旨通りに使う」ようにしています。
 ですから、本来の原稿の趣旨からするとタイトルの一部としてサブタイトルを表すために使われている全角波ダッシュ「〜」を意味の違う全角チルダ「〜」に置き換えるのは変ですし、私の主義にも反します。

 ところが、全角波ダッシュ「〜」を使うと困ったことが起きる場合があるのです。
 例えば文字サイズを大きくしてみます。

wavedash03.png


 原稿を送ってきたままのフォント「DFP細丸ゴシック」のままサイズを大きくしたのですが、明らかに全角波ダッシュ「〜」は別のフォントが使われいることが分かります。つまり、「DFP細丸ゴシック」には全角波ダッシュ「〜」がないのです。

 別のフォントに置き換えて試します。フォントとして存在しないことが分かります。

wavedash05.png


 今度は縦書きです。

wavedash04.png


 空白や「・」のような状態になり、他のフォントに置き換えるなどもしてくれません。

 メイリオで試しました。

wavedash06.png


 MSゴシックも大丈夫でした。
 Windows付属のフォントでは表示してくれるが、特殊なフォントを使うと横書きでもそのフォントで表示してくれなかったり、縦書きでは全く表示されないか「・」のような表示になってしまうことがある、ということです。

 つまり、メイリオやMSゴシックは例外として、「縦書きの波ダッシュ」は日本語の中には不要で、日本語には本来無縁の「チルダ」が縦書きの中にフォントとして準備されている、ということになります。

 ATOKの手書き文字入力で文字コードを調べてみると次のような表示になります。

wavedash07.png


wavedash08.png


 全角チルダにはJIS、シフトJISとも文字コードが割り当てられているのに、純和風の波ダッシュには割り当てられていません。(ワープロソフトで意図するフォントで表示されなかったのと符合する。じゃあ、フォントの管理は、Unicodeでは行われていないということ?)
 JIS、シフトJISの設定のころには、文字数に余裕がなくて、全角チルダで代用したということなのでしょうか。

 やっぱり分かりにくい「全角波ダッシュ/全角チルダ」です。

 そして私にはもう一つ、分からないことが…。
 私は「全角チルダ」をキーボードから入力するのに、キーボードの「~」を全角に変換します。とても簡単です。(「から」を辞書によって変換するのも可能)
 全角波ダッシュ「〜」で原稿を書く人って、どうやって入力をしているのでしょうか。


posted by kewpie at 11:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 言語・文字
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