2017年02月02日

変なお辞儀(6)

 「変なお辞儀」でさりげなく最初の記事を書いてから、今回で6回目になります。
 前回から間もないのですが、インフルエンザで自宅にじっとしている羽目になり、思いついて調べたり、考えたりしてみました。

 まず、直立の姿勢です。

 

 上の図(これについては後述)の姿勢は、確かに直立ですが、「意図的・儀礼的」直立です。することがなくて立っている場合にはこのように両手を体側に沿ってまっすぐに伸ばしており、長時間…とは言わず、必要なければ10秒だってこの姿勢でいたくありません。とくに手の平を広げ、指を伸ばしています。せめて、手を軽く握れば、最大で15秒くらいこのままいるかも知れません。(笑)
 この直立は「お辞儀」や「あいさつ」ではありませんが、自分がリラックスしておらず相手を意識しているというサインにはなると思います。儀式などの場で取る姿勢と言えましょうか。(「その他大勢」の立場でなら、指までぴんと伸ばさないでしょうが。)

 それに対して、もうちょっとリラックスして直立する場合…例えば目の前の話を聞く場合に、私だった両手を身体の前で軽く組みます。重ねるだけでは駄目です。組むことで腕がぷらぷら安定しないのを、努力なしで落ち着かせるから、つまり、"楽な"姿勢だからです。もっと楽な姿勢もあるでしょう。例えば両足を揃えず、ちょっと開いて前後にずらすという姿勢です。そして、一定時間で前後を入れ替えるのです。「左右均等」の姿勢は身体には負担になるものです。
 真横に足を開いて、後ろで腕を組むという「休め」は軍隊式でしょうか。よく覚えていません。学校の体育で今でもあるスタイルでしょうか。考えてみると、これって少しも「休」まりません。(笑)

 さて、前に手を組んでリラックスして人の話を聞く姿勢はこんなシーンでよく見かけます。特に不自然さは感じません。

announcer01.jpg


 同じような写真ですが、ちょっとあることに気づきます。

36f1c6ed-s.jpg


 男性2人が女性よりも肘を曲げて、手を組んでいることです。私自身の場合を考えても、同じような角度になると思います。というのは、角度が緩くて手を組む位置が低いと、♂の逸物を常に圧迫することになるからです。写真のお二人はどうなのでしょう。

 さて、残念のは次の写真です。

announcer02.jpg


 上で述べた「リラックスして話を聞いている姿勢(手の組み方)のまま、頭だけ下げたお辞儀」という印象を私は持ちます。6:30というタイムスタンプから、番組再開のタイミングのようですが、このお辞儀の後、手を組んだ状態を続けて、また話を聞く姿勢に戻るのでしょうか。

 お辞儀をする際には、男性なら手のひらを体側か膝上、女性ならば、膝上か、指を伸ばして交差させるようにしてもらいたいと思います。個人的な要望ですが。
 最初の方で述べたように、多少の肉体的苦痛を感じる姿勢、大袈裟に言えば非日常的体制を取ることで相手を「意識している、敬っている」ことを示すのがお辞儀だと思うのです。この国でも気持ちで敬意が通じるのなら、ウインクでも良いでしょう。

 実は冒頭の図は、熊本県・崇城大学の挨拶・おじぎという、要するに就職案内用のページの図です。(プロのイラストレーター…並みとは言えませんが、描いた人の気持ちが伝わります。しかも、肝心な箇所が丁寧・正確に描かれていると思います。)
 その「礼(お辞儀)」はこうなっています。

sit2.gif out2.gif


 前で手を組んでいないからといって「失礼」「不作法」という印象は持ちません。

 お辞儀などの礼儀作法も含めて、国や地域の習慣は伝承や親のしつけ、職場の中で伝えられてきたものですが、そういう機会が少なくなっています。
 だから「旬」を、テレビの出演者が「シュ」でなくて「ュン」と発音したり、あるいはレジで「900円からお預かりします」と言ったり(「から」って何?)、どこかに電話をしたら「お名前頂戴できますか」と言われたり、変な商習慣が広がっているのではないでしょうか。
 言葉も習慣も常識も時代と共に変化するのは自然なことですが、人とのやりとりで不快感を与えたり、ましてや誤解を与えないことは重要です。過去のものを否定するだけの意味があるならともかく、そうでなければ過去の物を活かす方に意味があると思います。
 新入社員やアルバイト高校生は何も知らなくて、若い先輩や実は大して経験のない指導者から「指導」を賜る。実はそのネタはネットだったり、たまたま耳にしたり目にしたものだったりする場合があるような気がします。

 「変なお辞儀」で古くから印象に残っているのは、CA(それも「スチュワーデス」と呼ばれていた頃からだと思います。)のお辞儀をしている姿です。かつては花形の職業で、その所作などにも充分にお金をかけて誰にも恥ずかしくない教育をしているのだから、彼女らのやることなら間違いなかろうとその真似をするケースが増えたのではないでしょうか。
 で、どうしてCAが変なお辞儀をしていたのか、事の真実は分かりませんが、面白い意見がありました。

499. 匿名 2015/04/14(火) 09:53:39

皆CAだってやってる!
ってコメントしてるけど、
CAは「座位のお客様から見てお辞儀をしてるのが分かるように敢えて高い位置で手を組んでる」んだよ。
あれは本式じゃないよ!
上半身しか見えない窓口もそう。

 100%の説得力はありませんが、一理あると思えます。(手は見えなくても、腕の角度は変化します。)
 この意見の含まれる、
http://girlschannel.net/topics/342421/
は、私の称するところの「変なお辞儀」に賛否両論が入り乱れて、興味深く読めます。

 今後、変なお辞儀が増え続けるのか、減るのか分かりませんが、少なくとも
nodogoshi.jpg
こんなふうに、例えば就職の面接試験で腹の前で手を組んでお辞儀をしたら、その人の人格や能力には関係ないのかも知れませんが、採用はしたくありませんね。

備考
 私は韓国を特に好きでも嫌いでもありません。正確には好きな点もあれば、嫌いな点もあります。「変なお辞儀」はたまたま韓国のお辞儀に似ているというだけで、「変」というのは従来の日本のお辞儀と違って違和感を感ずるという意味です。
 それぞれの国でそれぞれの習慣を大切にする一方、互いの国の良い点を取り入れることが大切だと思っています。


タグ:お辞儀
posted by kewpie at 02:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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