2017年09月16日

ミサイルのルート表示

 某国から発射され日本上空を通過して太平洋上に落下しましたが、その「通過」時のルートが、報道によって異なるのでよく分かりません。
 最初に、そして一番不思議に思ったのはNHKのこの図です。

route01.jpg

 襟裳岬付近を通過したということは理解できますが、発射地点から落下地点まで、直線でも弧(あるいは放物線)でもなく、「く」の字のような経路です。とうていこんなふうに飛行したとは思えません。

 ミサイルに関しての知識を持っているわけではないので何とも言えませんが、目標方向を定めてあとは上空に一定の角度を持って打ち上げるというのが自然です。その考えが正しければ、次のような図になるでしょう。

route02.jpg


 「方向はイメージ」という断り書きがありますが、正に「方向は正確には分からない」と正直に記述しているのでしょう。曲線や「く」で描くと、あたかもルートを把握しているように、図を見る人は受け取ります。
 もちろん、メルカトル図法のように角度は正確だが距離やルートは位置によって異なるものを使えば、ルートを仮に正確に把握していれば、曲線を描くことになるかも知れません。
 発射地点を中心とした正距方位図法の地図を、報道機関は今後用意するのでしょうか。
 日本政府の発表では、たしか「発射された時点でほぼ飛行方向を把握した」とのことですから、平面的に見た場合、直線的に進むと判断したのでしょうし、実際そうかと思います。
 その意味では、次の図は誤解を与えます。

route03.jpg

 「※日本政府発表による」とのことです。

 さらには次の図は、何のためにルートが北海道の北を迂回するように描かれているのでしょう。報道をちゃんと聞かないでこの図だけ見た人は、「鵜飼いルートを取った」と誤解する人もいるでしょう。

route04.jpg


 私が「上手だ」と思ったのはNHKが使った次の図です。冒頭のNHKの図からかなり改善されています。

route05.jpg


 図法が何なのかは分かりませんが、遠くは小さく手前が大きなマス目になるようなグリッドを画像全体に引い手遠近感を出して、飛行ルートを曲線で弓なりに描き、しかもその陰のように黒い直線を引いてあります。
 これが正確なのかどうかは分かりませんが、言わば3Dと遠近法を組み合わせ、弓なりに日本上空をまたぐように飛行し、しかも平面的に見れば直線的に進んだというのが分かります。
 弓なりの高さをどのくらいに設定するのか、その判断は難しいでしょうが、一般の飛行機が飛行するように地上近くを飛んでいったのではない(従って、撃ち落とせない・・・多分。)ということを、分かりやすく知らせる必要があると思います。

タグ:地図 ICBM 図法
posted by kewpie at 19:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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