
そんなとき、たまたま目にしたテレビ放送の字幕がとても簡潔で「これがいい」と思いました。

画面の字幕を書き取って(キーボードで打ち込んで)いきましたが、しばらくして、短く簡潔にしすぎて無理のある箇所が少なくないことが分かりました。
外国映画の日本語字幕と同じで、読み取りやすいことを重視して、元の歌詞の意味を充分に、また正確には伝えられていないのです。
そこで、web上で和訳を探してみました。
http://diary.sousokou.jp/?eid=725
明るいお月様はいつからそこにあるのですか?
酒盃を手にとり、月が煌々と照らす青い空に問いかけてみたよ。
月にあるという天上の宮殿は、もう何千何万年栄えているのかもわからない。
私は風に乗り、あの月へ帰りたいとも思う。けれどその冷え冷えとした玉石の宮殿や、あまりに高いところの寒さに、私はずっとは耐えられない。だからこうして地上で庶民に混じり、あの月の光が映し出す自分の影と踊っているほうがはるかに楽しいよ。
まるい月が、朱(あか)く塗られた官舎の楼閣の上を転がるように昇る。やがて夜も更け、月が低く降りてくると、飾り窗(まど)の隙間からまた月明かりがさし込んで、この仲秋の宵を、夜通し楽しむ人達を照らしている。
もちろん仲秋の満月を恨むわけではないけれど、でも君(蘇轍)とこうして長く別れているときに限って、皮肉にも月が圓(まる)いのだからね。
人には別れと再会の悲しみ、喜びがあり、月には満ち欠けの光と影があるものだ。
古来、こればかりはどうすることも出来ない道理だから。
まあ、再び会えるその日まで、あの永遠に浮かぶお月様には及ばなくとも、お互い長生きしたいものだね。
今は遠く千里を隔てているけれど、同じあの美しい月を見て楽しもうよ。
http://www.geocities.co.jp/SilkRoad/4843/abechan.html
月よお前はいつからあるのか 酒を片手に天に尋ねてみても
遠い天上世界では 今宵がいったい何の年なのやら
風に乗って帰りたいが 贅を尽くした高楼を怖れ 上空の寒さにも耐えられない
私は独りで舞い 己の影と戯れる
これを人の世のありようと言えるだろうか?
お前は朱塗りの楼閣を越え 綺麗な門を抜け
その光は眠らぬ私を照らす
恨みなどないだろうに なぜ別れの時にこうも満ちるのか
人の世は悲喜交々(こもごも)そして出会いと別れ
月もまた満ち欠けあり
いにしえよりこの道理の前に為すすべは無し
ただ願わくば 人の長久を!
ただ願わくば 遙か遠くにあっても共にあの月を見ることを!
https://bitex-cn.com/?m=Material&a=songdetail&songid=4414
http://nagi1995.hatenablog.com/entry/384
月というのは
いつの時代からあるものなのか。
盃をかかげて
大空に問うてみた。
月世界の宮殿では
このゆうべは
いつの時代にあたるのだろう。
私も風に乗って
月に帰ってしまいたいが
宝玉のような楼閣の立ち並ぶ
いと高き世界は
きっと寒すぎて耐えられないだろう。
ふわりと舞えば
影も一緒に踊り出す。
月の宮殿といえども
人間世界のすばらしさにはかなうまい。
朱塗りの楼閣をめぐる月光が
飾り窓から差し込んできて
眠れない私を照らしている。
恨みごとがあるわけでもないだろうに
別れの時に限ってお前はなぜいつも
まん丸な形をしているのか。
人には悲しみとよろこびが
出会いと別れがあり
月には消えてしまう時と全身を見せる時
そして満ち欠けがある。
そういうことは昔から
思い通りに進むことではない。
ただ願わくは
大切なひとびとが
元気で長生きできますように。
われわれは
とても離れたところにいるけれど
この月のゆうべを
一緒に過ごそうではないか。
http://yazumichio.blog.fc2.com/blog-entry-221.html
苏轼 水调歌头
明月几时有,把酒问青天。
明(名)月は、いつまた出るのか?酒杯をかざして、天に問う(問いたい)
When will such a bright full moon ever arise again?
Have a glass of wine and question the sky.
不知天上宫阙,今夕是何年。
天上の宮殿では、今宵はいずれの年なのか知りようもない。
I do not know what year it is tonight
For the palaces up in the paradise.
我欲乘风归去, 又恐琼楼玉宇,
風に乗って(仙人のように天上へ)帰りたい、
(月光に)照らされて眠れないのではないかと不安になる
I want to ride the wind and return to the heaven.
But fear that the heaven of jasper and jade
高处不胜寒,起舞弄清影,何似在人间。
寒さに耐えがたい高い処は、(己の)影が舞い踊り
世間にどのように映るのか
Is filled with chill, because the palaces rear so high.
Get up and dance with my own shadow.
Might as well stay in the earthly world.
转朱阁,低绮户,照无眠。
朱い楼閣をさまよい、低い格子を滑り、眠れない目を照らす。
Around the crimson pavilions
Sliding through the lattices
Onto the sleepless eyes.
不应有恨,何事长向别时圆。
人には喜びと悲しみ、出会いと別れがある
Oh Moon, if you bear no grudge,
Why you always fill the sky at time of separation?
人有悲欢离合,月有阴晴圆缺,此事古难全。
月も翳り照るし、満ち欠けもする ものごとは古よりままならない(月よ)恨みはあろう筈もないのに、別れの時にどうして満ちるのか
As there is sadness and joy, separation and reunion.
The moon could be shining or clouded, waning or waxing.
Perfection is never meant to be.
但愿人长久,千里共婵娟。
(だから)すこしでも長く生き千里へだてた明月を共に眺めようではないか
Wish you peace and longevity,
So we could share the moonlights from thousand miles apart.
https://chinese.hix05.com/sushi/sushi_1/sushi123.suicho.html
明月よ、いつから空にかかっているのか、盃を手にしながらこう青天に問う、天井の宮殿では、今宵は何年の中秋にあたるのだろうか
自分も風に乗って天上の世界に行ってみたいが、月宮殿は高いところにあるから、寒くてかなわんだろう、せいぜい地上の舞を楽しもう、やはり人の世の方が居心地がよい
轉朱閣 朱閣に轉じ
低綺戸 綺戸に低(た)れ
照無眠 無眠を照らす
不應有恨 應に恨み有るべからざるに
何事長向別時圓 何事ぞ長へに別時に向って圓なる
朱色の高殿をめぐり、綾ぎぬの帳をかすめ、眠らぬ人を照らしている、別に恨みのあろうはずもないのに、何故別れの時に限って満月になるのだ
人有悲歡離合 人に悲歡離合有り
月有陰晴圓缺 月に陰晴圓缺有り
此事古難全 此の事古より全くなり難し
但願人長久 但だ願はくは人長久に
千里共嬋娟 千里 嬋娟を共にせんことを
人には悲歡離合があり、月には陰晴圓缺がある、古からこのことを完全な形に保つのは難しい、ただ人がとこしえに、千里の距離を離れていても、この月の輝きを共に明ことを願うのみだ
いずれも、中国語や中国の古詩(詞)に詳しい人が書いた和訳なのでしょうが、それぞれ解釈自体が異なります。共通して言えるのは、やはり説明的な長い和訳になるのは仕方ないということです。
それぞれの解釈・訳文の良さそうなところを選び、さらに私自身の訳文を加えて、新バージョンの年賀ビデオを作りました。
一応、こんな和訳にしました。
【人々が健康で長生きすることを願う】
明月は、いつの時代からあるのだろう。
酒杯を片手に、天帝に問いかける。
天上世界の宮殿では
今宵は何の年になるのだろう。
私は風に乗って月世界へ帰ろうと思うのだが、
またもや恐れるのは、月世界の御殿が
高い所にあるので、寒さに耐えられないことだ。
地上で舞いながら
月に照らされてできた影と戯れていると
月に帰らなくとも
俗世間に居るとは思えない楽しい気分だ。
朱塗りの楼閣を巡る月の光が、
飾り窓から差し込んできて、
眠らずに酒盛りをしている私たちを照らす。
仲秋の満月に恨みがあるわけではないが、
なぜ、君と遠く離れているときに限って
いつも満月になるのだろう。
人には、喜びと悲しみ、出会いと別れがあり、
月には、明と暗、満ち欠けがあるが
これらは古来、人の思い通りにはならないものだ。
ただ、願わくは、
人々がお互い健康で長生きをして
たとえ、千里を隔てていても
共に同じ明月を眺めて心を繋ぐことだけだ。
朱塗りの楼閣を巡る月の光が、
飾り窓から差し込んできて、
眠らずに酒盛りをしている私たちを照らす。
仲秋の満月に恨みがあるわけではないが、
なぜ、君と遠く離れているときに限って
いつも満月になるのだろう。
遠く離れているときに限って
人には、喜びと悲しみ、出会いと別れがあり、
月には、明と暗、満ち欠けがあるが
これらは古来、人の思い通りにはならないものだ。
ただ、願わくは、
人々がお互い健康で長生きをして
たとえ、千里を隔てていても
共に同じ明月を眺めて心を繋ぐことだけだ。
詞:蘇軾 (1037-1101)
曲:梁弘志(1957-2004)
演唱:ケ麗君(1983『淡淡幽情』)
それにしても、「限定公開」の設定をしており、リストにも表示されないし、検索しても見つからないはずなのに、すでに十数人が見ているというのはなぜなのでしょう。
別館:On Teresa Teng
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