いくつかの映像を繋いで、音声を重ねる…というよくある手法を計画して、簡単に仕上がると思っていたのですが、予想以上に大変でした。
というのは、「海韻」は、そのときそのときで、歌い方が違うのです。特に速さが違っており、しかも全体的に速い、遅いというだけでなく、途中でそれぞれ速さを変えているので、音声に映像のスピードを合わせるのが大変なのです。
また、結果的に4つのコンサートの映像をつないだのですが、なかなかつなぎ目で適切なところが見つからなかったこともあります。
4:3の映像を、16:9にどうやって入れるかも工夫のしどころなのですが、今回は面白い映像ソースが見つかりました。
今回初めて目にする、テレサ・テンが砂浜を歩きながら「海韻」を歌うというMVです。
ただ、TTVの大きなロゴと大きな歌詞字幕、それに2回現れる「大蛍幕」という文字が邪魔です。
それで、16:9の余白に入れる小さな映像として使うことにしました。歌詞の中身に合わせた(と思われる)動きをテレサ・テンがしてくれているので、なかなかいい感じになりました。
毎度のことながら、英訳・和訳には苦労をします。中国語の、しかも歌詞の翻訳は大変です。
他の人の英訳を参考に、適当に仕上げました。
実はこの歌詞には、ベースとなるものがありました。
一https://baike.baidu.com/item/%E6%B5%B7%E9%9F%B5
“女郎,单身的女郎,
你为什么留恋
这黄昏的海边?−−
女郎,回家吧,女郎!”
“啊不;回家我不回,
我爱这晚风吹:”−−
在沙滩上,在暮霭里,
有一个散发的女郎−−
徘徊,徘徊。
二
“女郎,散发的女郎,
你为什么彷徨
在这冷清的海上?
女郎,回家吧,女郎!”
“啊不;你听我唱歌,
大海,我唱,你来和:”−−
在星光下,在凉风里,
轻荡着少女的清音−−
高吟,低哦。
三
“女郎,胆大的女郎!
那天边扯起了K幕,
这顷刻间有恶风波−−
女郎,回家吧,女郎!”
“啊不;你看我凌空舞,
学一个海鸥没海波:”−−
在夜色里,在沙滩上,
急旋着一个苗条的身影−−
婆娑,婆娑。
四
“听呀,那大海的震怒,
女郎回家吧,女郎!
看呀,那猛兽似的海波,
女郎,回家吧,女郎!”
“啊不;海波他不来吞我,
我爱这大海的颠簸!”
在潮声里,在波光里,
啊,一个慌张的少女在海沫里,
蹉跎,蹉跎。
五
“女郎,在哪里,女郎?
在哪里,你嘹亮的歌声?
在哪里,你窈窕的身影?
在哪里,啊,勇敢的女郎?”
K夜吞没了星辉,
这海边再没有光芒;
海潮吞没了沙滩,
沙滩上再不见女郎,−−
再不见女郎!
注:此诗发表于1925年8月17日《晨报・文学旬刊》。
最後に主役の「女郎」(女の子)は死んでしまうという内容です。歌にはそれが明確には述べられていませんが、大いに参考に鳴り、それを意識した和訳としたつもりです。
「海韻」を何度も聞いてきた人でもどこまで歌詞を理解しているでしょう。映画を見た人は分かるでしょうね。なかなか、日本では見る機会がなさそうで、残念です。
そうそう、「海韻」というタイトルに対する日本語訳も、いいものが思いつきませんでした。「海の調べ」「海のリズム」というような意味らしいのですが、少女が(多分)その波に飲み込まれて死んでしまうけれども、普段は美しい波の音を聞かせてくれる、という意味合いのような気がします。
そういう優しさを感じさせる言葉が思いつかなかったので、「海鳴り」としました。
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