
私の好きな(そしてきっと多くの人が好きな)「パッヘルベルのカノン」です。この曲は、もう20年以上も、朝の目覚まし音に、代々の携帯電話、スマホに使ってきました。「そんな穏やかな曲で目覚ましになるんですか」と同僚に笑われたこともあるのですが、疲れていても、眠くても目覚めはいいので、これで十分です。
さてこの小番組で目に入ってきたのは、演奏家や楽器や風景の映像ではなく、CGによる幾何学的な映像が画面に広がります。何となく想像がつきそうな反面、画面全体を地味なグレーの色が占め、僅かに赤・緑・青の小さな立方体が画面の一角にあります。
音楽が始まるとこの3色の立方体がメロディーに合わせて動き出すのですが、その動きで、この曲がどんな風に作られているのかが、音楽理論については何も知らない私にも実に良く分かります。後で調べたらこれが「対位法」というらしいものだと分かりましたが、対位法の音としての美しさだけでなく視覚的な美しさ・楽しさも見せてくれます。曲を通してもメロディや演奏法の変化も視覚的に教えてくれます。
この曲、そして対位法を言葉で説明するときっと「同じ旋律が、時間をずらして3回繰り返される」とかってなるのでしょうが、論より証拠、百聞は一見に如かず、です。
番組は、NHKの「名曲アルバム+」というものでした。「+」というのが存在していることは知りませんでした。また、この曲の放送自体はもう大分前から繰り返されてるようでした。
この番組のこの曲に出会えて、ちょっとうれしく思いました。
そうそう。CGは大西景太さんという方のようです。もちろん、単にCGを扱ってるだけでなく、音楽的な知識も豊富なようです。そうでなければこんな作品はできないですね。