2020年11月14日

中村とうよう氏の投稿〜雑誌等の記事(41)-1

 テレサ・テンに造詣の深い、中村とうよう氏の投稿が、ミュージックマガジン(1991年9月号)に掲載されています。

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人生はステップ・バイ・ステップ
アジア歌謡の最高峰テレサ・テンに聞く

 やっとテレサ・テンに会うことができた。
87年4〜6月号の「淡淡幽情」のため材料集
めをしたときから、トーラス・レコードにテ
レサへのインタヴューを申し入れていたのだ
が、彼女が日本に来ることがますます少なく
なり、取材にはほとんど応じていないような
状態で、ようやく今回久しぶりにプロモーシ
ョンのための来日が実現したので、ぼくも時
間を割いてもらうことができたわけだ。
 会ってみたら、予想以上にすばらしい人だ
った。にこやかな微笑を絶やさず、実に率直
に話してくれた。歌うときと同じ、細いけど
スーッと空気に乗って遠くまでヴァイブレイ
ションが届く、絶妙な声。いまほとんど日本
語を使う機会がないはずなのにクセのない流
麗な日本語を話す。38歳という年齢を隠そう
ともしていないが、あの丸顔はぼくにはまだ
可愛らしいというのが実感だ。
 先月号の本誌を見せたら、表紙が日に入る
なり「ジェイムズ・ブラウン、好き!」と口
ばしった。そのへんの話はあとで、と思って
いたのに、最後は約束の時間が迫ってアセっ
てしまったので聞き忘れたのは残念だった。

7〜8歳で「リンゴ追分」を歌っていた

――小さいころから歌ってたでしょ。そのこ
  ろのこと、聞きたいんだけど、もうあま
  り憶えてないかな。

 10歳だったかなあ、中華電台〔台湾のラジ
オ局〕のアマチュア・コンテストで優勝した
んですけど、そのときに歌ったのは映画の主
題歌でした。大陸の古い時代劇をもとにした
香港の映画で、その主題曲は少し民族系とい
うのかな、黄梅調っていうんだけど、上海の
少し南のチェチェン…。
――あ、浙江省?
 そうそう。浙江省の黄梅という村のティピ
カルな音楽ね、ちょっと伝統的なフォーク・
オペラみたいな…。その主題歌をね、映画が
台湾で大ヒットして、放送局が歌のコンテス
トをしたの。それで一生懸命にその歌を憶え
て、コンテストに出ました。
――日本の歌も、例えば美空ひばりさんの歌
  なんかも歌ってたんでしょ。
 それはもう、小さいときから聞いてたんで
す。「リンゴ追分」なんかも歌ってました。だ
いたい七つか八つくらいのときかな。
――お母さんが歌が好きだったんですか。
 そうです。聞くだけですけどね。それで私
が歌手になるように希望したんです。
――お父さんは元軍人さんで、厳しい人だっ
  たんですって。
 はい。厳しいけど音楽は好きでしたよ、国
劇〔日本で言う京劇〕が。軍隊の中でシロウ
トの国劇なんかもやってたんです。
――そうなんですか。お父さんは厳しい人で

  あなたが歌手になるのは反対だったと何
  かで読んだことがあるけど。
 そうです。歌手になるのは最初は反対でし
た。国劇ならいいんだけど流行歌を客の前で
歌うのは、何かホステスみたいなね、そんな
気がしたんじゃないですか、まだ小さかった
から。でも私、学校があまりうまくいかなか
ったし…。
――え、どうして?
 あのころの台湾の教育って、よくなかった
んじゃないですか。中学に入るのは難しかっ
たから、小学校の5年、6年くらいで試験の
勉強のために先生のパニッシュメント〔お仕
置き〕がとてもきついんです。
――ぼく、テレサさんって学校のよく出来る
  子だったんじゃないかと思ってたんだけ
  ど…。
 国文はよく出来たんだけど、算数は5年生
の最初の日に、先生に当てられて答が間違っ
てたら長い棒でお尻をぶたれちゃった。だっ
てわからないから学校に教わりに来てるんで
しょ。それなのに、どこがどう間違ってるか
説明もしてくれなくて、ぷつんだもん。それ
でもう算数はダメ。自信がこわれちゃった。
でも国文はね、私は子供のときから北京語が
きれいに話せたから、スピーチ・コンテストで
いつもほめられたね。声も可愛かったし。そ
して小学校を出て中学校に入ったんだけど、

 続きは、明日以降に。



中村とうよう氏の投稿〜雑誌等の記事(41)-1
中村とうよう氏の投稿〜雑誌等の記事(41)-2
中村とうよう氏の投稿〜雑誌等の記事(41)-3
中村とうよう氏の投稿〜雑誌等の記事(41)-4

posted by kewpie at 18:58| Comment(0) | TrackBack(0) | テレサ・テン
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