もちろん「神戸です」の映像はありません。「謝謝你常記得我」の映像に、「神戸です」の音声を重ねました。映像の方を100.71%にすることで、映像と音声とがシンクロしました。「今でも」と違って、位置によってシンクロのためのスピードが違うということはなくて助かりました。
また、「謝謝你常記得我」ではなく、日本語の「神戸です」にしたのは、歌詞の英訳が楽だと思われたからです。中国語と英語の2つの壁を乗り越えるのは大変です。
歌詞の細かい解釈は別として、大体は英語訳が自分なりにはできたのですが、思わぬ所で戸惑わされました。
ワインに染まっての個所です。
ワインを飲んで顔を赤らめて、ということだとはすぐに分かり、
I flushed with wineとしました。
My face turned red with wine.とか、A glass of wine turned my face red.とかでもいいでしょうい。
ところが、ここで始めて知ったのですが、欧米の人たち(大雑把なくくり方ですが)の多くは、酒を飲んでも顔が赤くならないのだと知りました。
お酒を飲んで顔が赤くなる現象は、英語で「Oriental flush(オリエンタルフラッシュ)」「Asian flush(アジアンフラッシュ)」などと呼ばれています。閃光などを指す「flash」につづりがよく似ていますが、「flush」は顔が赤くなることを意味し、直訳するなら「東洋の赤面」といったところでしょうか。https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1810/01/news068.html
海外のWebサイトを見ると「東アジア系の人々によく見られる現象で、アセトアルデヒド(※)を分解する酵素の欠損により起こるもの」などの解説が。日本の飲み屋なら顔が赤くなっている人はすぐに見つかりますが、欧米ではあまり目にする機会がないのか、「深刻な日焼けのような感じになる」と、わざわざ例え表現を使っていることもあります。
この意味では、私はちょっと飲めば赤くなったり、頭が痛くなったりで、典型的なアジア人ということになります。
さて、英語の歌詞らしくするにはどうしようかと思いましたが、歌詞の主人公は神戸辺りにいる日本人女性ですから、そのままAsian flushを歌詞に入れることにしました。