スピーキングテストなのに、他の受験生の話す声が聞こえたなんていうお粗末な問題もありますが、証拠がないのをいいことに、都教委は問題なしとしています。
証拠が残っているのは問題文そのもの。

Do you drink tea? You may have seen there's a new tea shop next to our school. It opened last Saturday. Yesterday, I got some tea at the new shop with my family. It was great. You should try the shop, too!
You may have seen that there's a new tea shop next to our school.
という、中学校では学習しない表現を使ってしまったということです。
mayもhaveもseenも、どの単語も学習しているから、分かるはず、という都教委の説明(苦しい言い訳)にも呆れますが、ふと思ったのは、seeの後が名詞ではなくてthat節で、これも中学生は不慣れではないかということです。
I see.(なるほど)なんていう表現を聴いているかも知れませんが、You see (that) I'm a Japanese.というふうに、「見る」ではなく「分かる」という意味で使うのには慣れていないのではないかということです。
何となくDeepLは、このテストにどう応えるだろう(?)と、この一文を和訳させてみました。
学校の隣に新しいお茶屋さんができたのを見たかもしれませんね。
なかなかの名訳です。may have seenを直訳にせず現在形っぽく、一方there'sの方をむしろ過去形っぽく訳して、全体として自然な日本語になっています。
では、GoogleTranslateは?と思うのが人情(?)です。
私たちの学校の隣に新しいお茶屋があるのを見たことがあるかもしれません。
may have seenが直訳っぽいですが、よく言えば忠実ですし、文全体として、こちらも自然な日本語です。
あれ? どちらもseeを「見る」としています。物を見るのではなく、「事柄を見る」と言えるのでしょうか。
You may have seen that he talks on the radio every week.でも「見たことがある」としてしまうのでしょうか。この英文自体が変な気がします。でも、seeが純粋に「分かる、知っている」なら、いいはずですが・・・。haveを使って過去にこだわるのは、「今知っている」のではなく、「過去に見た」と言いたいのかも知れません。だから、もし「知っている」なら、You may know ... でいいような気がします。
Grammarlyに相談してみました。
there'sがwordy sentenceとマークされています。there'sなんてくどいだけ、see(n) a new tea shopでいいだろうということでしょう。
さらにここで新たな疑問が生じました。両方とも良い訳だと言いましたが、実は両方とも「お茶屋(さん)」なのです。文脈から判断すると、学校の隣にできたのは、お茶屋さんではなくて喫茶店のようです。a coffee shopではなくて、a tea shop。家族みんなでお茶を飲みに行ったということは、コーヒーなんて扱っていない、お茶(紅茶)の専門店なのでしょうか。さすが、東京です。
それとも、
I got some tea at the new tea shop with my family.
であって、
I drank some tea at the new tea shop with my family.
ではないので、やっぱりお茶屋さんで茶葉を買ったのでしょうか。家族と一緒に!
うーん、よく分かりません。