共同使用している建物のカギ管理(受け渡し)を、無人でできるように、キーボックスを使うことにしました。
多くのキーボックスがありますが、カギは1つだけですので、20も30もぶら下げるタイプではなく、1つだけを入れて番号で開くタイプが最適です。選んだのは、Smart Lockbox L1という製品です。
共用する人は最大20人くらいいるのですが、関係者以外には使われたくありません。よくある、ナンバーで開ける南京錠型の機械式ものでは、番号を一つしか設定できませんが、このSmart Lockbox L1は、ソフトウェアで複数のパスワードを設定できます。
設定は、スマホアプリで、BluetoothによりL1との通信で行います。
パスワードの種類はいくつかあります。
ワンタイムパスワード(開始・終了期限を設定したうえで1回使える)も、期間指定パスワード(繰り返し使用可)、さらには登録ユーザー(所有者、アドミニストレータ、その他)ごとに与えられる無期限パスワードがあります。ワンタイムと期間限定とで合計50個、無期限は50個発行できます。
これらのパスワード(6桁〜10桁)が使用されて解錠された場合は、ログが残ります。別々の人に別々のパスワードを知らせておけば、誰がいつ解錠したのかが分かります。
ただしそのログを見るためには、Bluetoothの通信が必要なので、L1のそばに行く必要があります。パスワードの発行でも、Bluetoothの通信が必要なので、「オンライン・パスワード」と呼ばれます。
面白いのは、事前にパスワードを割り当てられた人以外が急に解錠する必要が生じた場合、本体から離れたところから新たなパスワード(ワンタイム・期間指定の2タイプ選択可)を発行できることです。「離れたところから」といっても、インターネットによる接続は不要です。(オプションのG30(Wi-Fiブリッジ)というものを使わないと、そもそもL1はインターネット接続ができません。)
加えて、アプリのトップ(付近)から素早く発行できるダイナミックパスワード(有効5分だけ)もあります。
こちらは「オフライン・パスワード」と呼ばれます。発行されたパスワードは、解錠したい人にメールなどで知らせればいいわけです。(「オフライン」ではなく「オフサイト」という言葉を使った方がいいかもしれません。「オンライン・パスワード」も「オンサイト・パスワード」にして。)
何とも不思議な話ですが、暗号化によってスマホのアプリでパスワードを要求すると、アプリ上に表示されるパスワードは、遠く離れたL1で有効となるわけです。ワンタイムパスワードだけでなく、自由に有効期間を指定することもできます。(こちらは必ず10桁)
こんな仕組みを初めて知ったのですが、これで思い出したのがゆうちょのトークン(ワンタイムパスワード生成機)です。トークンはインターネットに接続されているわけではないのに、何秒間か有効になるパスワードを連続して発行します。
どんなアルゴリズムに基づいた「暗号化」が行われているのか、私には到底分かりませんが、実に興味深いものです。
なかなか高機能なキーボックスなのですが、不満なのはアプリの出来が悪い、ということです。最初は、Bluetoothの接続自体がうまくできませんでした。ユーザー(特にアドミニストレーター)の追加方法などは、マニュアルにも書かれていません。
その他、各種機能を使うのに、どこから進んでいいのか分からない…それの繰り返しでした。日本語も不自然です。(本体もMade in Chinaですが、ソフトもきっと中国製です。)
数時間いじくりまわして、どうにか使える状態に持っていきましたが、細かいところは覚えきれない、そんなUIなのです。
実はこのSmart Lockbox L1は単三×2本の乾電池駆動です。どれくらいの期間使えるか分かりませんが、電池切れの際には、USB-Cによる給電ができます。もしも故障して、それでも開かないときには中の鍵を取り出すのには破壊するしかありません。仮に別の方法で開けられても、修理は簡単ではないので、それでいいのかも知れません。
2025年02月16日
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