
内容については今更言うことはないのだが、3Dについて言うと、率直なところ、「特に映画として画期的な印象はなし」という感想だ。
劇場用映画ではない、3D映画(ディズニーランドなんかでやっているもの)はすでにいくつか見てきたから、珍しさは元々ないし、3Dでしか表現できない芸術作品としての場面もなかったと思う。
初めてカラーテレビの放送を見たときは感激したが、「モノクロ→カラー」の変化ほど、「2D→3D」の感激がないのはなぜか。どちらも、「より現実に近づく」という点では共通なのだが、「カラーでないと表現できない」ほどに「3Dでないと表現できない」、あるいは「3Dでないと不自然」というものがないからなのかも知れない。あるいは、ジェームズ・キャメロン監督が、「3D先にありき」で「3Dで何を表現したいもの、表現できないもの」が、しっかりと固まっていなかったのかも知れない。
さすがに映画では少なくなってきているが、写真の世界ではまだまだ敢えてモノクロームを使っているものが多い。「色でなくて名案での表現したい」、あるいは「見る人の想像力をかき立てる」という写真家の意図があるのだろう。
今後、映画もテレビも3Dへと移行していくのだろうが、制作者が「敢えて2Dで」という作品も生まれるだろう。そこまで至らないまでも、「無理をして3Dで表現することで、内容そっちのけの作品」が生まれないことを願っている。(ということを前回も書いたなぁ。)
付記:3Dについてあまり感動がなかった趣旨のことを書くことになったが、眼鏡利用の私には、3D用メガネの使用は面倒だったからかも知れない。眼鏡のレンズの前にさらに3D用メガネを置くことで、実用上問題ない者の視野が狭くなった上に、3D用メガネが落ちてきてしまう(鼻が低い!?)ので、仕方なく、ティッシュペーパーを詰め込んで滑落防止の対策をとるなどしていて、ちょっと煩わしかったからかも知れない。
http://itsa.blog.so-net.ne.jp/2010-01-15
私が見たのは、XpanD(エクスパンドと読ませるのでしょう)というものだったのですが、3D眼鏡は電子シャッターを組み込んだ重いものだったことが今になって分かりました。
どうりで3D眼鏡の着用(特に位置の維持)に苦労したはずです。