そもそもSH006に機種変更(と言っても、まだW51SHは使えるのですが)した最も大きな理由でした。コンビニ等での買い物でのFelicaの利用はそれほど切実感はないのですが、券売機の前に並ばずに買えるし、切符をなくさないように気を遣わなくていというメリットは小さくないと思うのです。
ま、電車に乗るのは月に1回あるかどうか・・・という頻度ですが。(笑)(ただし、乗るときには、乗り継ぎや行き帰りがありますから、まとめて何度か乗ることになります。)
さて、私が興味のあったのは、例の13°の感触でした。確かに、水平に翳して止めずに通過する感じでもなく、かと言って立ち止まる必要はないという感じの角度でした。
残念ながら上の動画は私が撮影したものではありません。こちらから、肝心な部分のみをカットして表示させてもらっています。
上の定期券入れを使った動画では結構「ペタッ」という感じで「タッチ」していますが、携帯電話だと、「ペタッ」ではなく「ゴチッ」となりそうなので、接触はさせませんでした。携帯の左右から指を少し突き出すようにして持ったので、指は軽く接触しますが、携帯電話は接触しません。携帯電話を落とさないようにするには自然と指が突き出るので、みんなそうしていると思います。
さらに、上の動画では自身が片手にカメラを持ちながらの撮影なので一瞬立ち止まるような感じですが、実際には携帯電話を持った右手をリーダー/ライター部に一瞬載せるようにしながらも足は全く歩みを止めずに進めます。これぞ、13°の成せる技でしょう。
私はこの「カード(または携帯電話)を斜め13°に接触させながら、体を前に進める」という動きでイメージしたのは、歩くときの人の足−つま先からかかとまで−の地面に対する接触と離反までの動きと似ていると思います。
1 かかとが地面に接触をし
2 足の裏全体が地面に接触をし、
3 最後につま先だけが接触をする状態であとは離れ、
4 最後に、足全体が離れる
という動きです。
こんな感じです。

(こちらからお借りしました。)
ですから、靴の底にsuicaを入れておいて、床にリーダー/ライターがあれば同じ事ができそうです。ただし、リーダーライター部にうまく狙いを定めなければなりません。
ところで、我々が通常歩く(しかも歩きやすいのは)水平な平面です。だから坂道を上るような感じでしょうか。ただ、13°の傾斜面を上るのはかなりきついでしょうね。その、きつさ、「足」に来る衝撃が「タッチ」に変わるのだと思います。
さらに考えてみると、最初から角度が付けられているので、上の「1 かかと・・・」は省略して、「2 足の裏全体・・・」からスタートしていることになると思います。
経験的に得られた適度な角度13°を付けることで、立ち止まらせずに一定時間(表示は1秒としているが、設計では0.2秒)の「タッチ」(設計では10cmまで離れても良い)をさせるだけでなく、実は、「ゴー」をさせるメリットがあると、次の図を添えて説明がなされています。

(http://techon.nikkeibp.co.jp/article/FEATURE/20091113/177613/?P=2より、引用)
とにかく、13°と答えが出ていれば後は勝手な理屈を付けられますが、電子技術ではなく、山中俊治氏のコロンブスの卵的発想を伴うデザイン及びテストとで「非接触ICカード」を実用に導いたのはやっぱりすごいと思います。
ただ、氏のサイト「山中俊治の「デザインの骨格」」にある

(↑意見を述べるために図の引用をさせてもらいました。)
を見ると、「かっこいいな」と思いますが、実際とはちょっと違います。リーダー/ライター部の前方がちょっととがっていて、何かの拍子にこれにあたったら「痛い!」という印象を持ちます。これは生身の人間が手を出しながら通過する改札口にはふさわしくないということで、実際には平らになっているのでしょうね。
Felicaの実用への道は、上述の氏のサイトの他、
デザインで性能が変わる〜Suica改札機のわずかな傾き(1)〜(2)
や
非接触ICカード「FeliCa」の開発(1)〜(9)
に詳細に書かれています。
ところで、全てのセブン・イレブンでもsuicaが使われるようになっているのですね。nanakoは不要でした。