久しぶりに手にするDVテープで、改めて規格を調べてみると740*480で、再生サイズ(縦横比)は4:3のみだということがわかりました。
もっとも簡単な対応はこのままMPEG2ファイルにして4:3規格のDVD-Videoとすることですが、テレビのアナログ放送も終わり4:3のテレビも急速に消えて、16:9が当たり前になるのに、4:3のDVDを作るのは不親切なので16:9のDVDにすることにしました。
その場合でもやはり簡単なのは16:9の画面の中央にオリジナルの4:3の画面をはめ込み左右を黒くするというやり方です。でも、それでは味気ない。

テレビの放送で、古い4:3の画像を16:9の画面で表示する場合に、左右の余白(余黒?)の部分に中央の画面をぼかして埋め込み表示をするという方法がとられるときがありますが、意外と違和感がなくて気に入っています。
ただ、それが私の持っている古いPremiereで出来るのか…。バージョンはPro 1.5です。
結果を言うと、出来ました。
まず、オリジナルの画像の準備です。
これは「ビデオ1」のトラックに配置します。4:3の画像ですが、16:9の枠に入れると上のキャプチャ画面のように左右が黒く表示されます。そしてこれが、今後は背景画になります。この背景画の目的は左右の黒い部分を埋めるためですから、「イフェクトコントロール」ウィンドウのモーションに進み、「スケール」の設定で左右のサイズを広げてやります。
原理はここまでですが、オリジナルの画像の左端と右端が常にくっきりと二重に表示されるのでは不自然ですから、ぼかします。「イフェクトコントロール」ウィンドウに、イフェクトを追加します。追加するのは、ブラー(ガウス)にしました。ぼかしの程度は適当に調整すればいいのですが、ここで一つ問題が発生しました。
それは、ブラーが16:9の枠外も含めてぼかすという理屈のようで(まあ、当たり前ですね)、その枠外は「黒」扱いで処理されるので、ぼかして出来た画面の周辺部が常に黒っぽくなってしまうということです。
そこで、「16:9の枠外も含めてぼかす」という処理が出来るように、大きめに、上下左右に拡大をします。したがって、拡大のスケールは「水平および垂直」を選択しました。

縦を104%、横を143%にしました。そして、ブラーは16.0としてあります。縦横とも16.0ということですが、凝った設定にしたいのならば、ブラーのイフェクトを2つ入れて、縦横で別の値を設定することもできるはずです。
さて、これを適用したのが次の画像です。

オリジナルの画像の上下左右がちょっと欠けて(16:9の枠外にはみ出て)全体がぼかされているのが分かります。
さらにビデオ2のトラックに、全く同じオリジナルのビデオを配置します。そうすれば、次のような結果になります。

ビデオ1とビデオ2は常に同じシーンが表示されなくてはいけないので、トリミングなどをするときには、2つ一緒に行うことを忘れないようにしなければなりません。
なお、最後の数秒間でいつものように「透明化」でフェイドアウトをしようとしたところ、ビデオ2とビデオ1が互いに透けて見えてしまい、「透明化」は使えないことが分かりました。
そこでビデオ3の該当の位置ににブラックビデオを置いて、フェイドインをさせ、ビデオ1・2が見えなくなっていくようにしました。(本当は「フェイドアウト」に該当するイフェクトがあるのでしょうが、私は知らないので、この方法をとりました。)
今回のような「4:3→16:9」の対処というのは、「重要なものは中央に来る」というヒトの物に対する見方を利用しているのだと思います。
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追記
左右の背景追加はTMPGEnc Video Mastering Worksでも簡単にできる! ことが分かりました。