
バージョンアップをする際に、誤って新旧のHandBrakeとも削除してしまったので、登録済みの設定を失ってしまいました。未だにHandBrakeの設定ではよく分からない点が多くて、「失敗した」と思う反面、試行錯誤をしながら設定の方法を身につけるのも良かろうと、あまり気落ちもせずに、「岳-ガク-」の変換をしました。
まずは画面サイズですが、以前の試行錯誤の記録に従い、横は512としての変換をしました。何度かミスを繰り返しながら、ようやく全編の変換ができました。

私の場合、m4vファイルのデフォルトのプレーヤはKMPlayerにしており、このような再生状況でした。
実はこの映画は16:9ではなくシネスコサイズなので、16:9の画面では上下に黒帯が入ります。DVD-Videoでは多分その黒帯も「画像データ」としてファイルサイズに含まれると思われますが、m4vファイルでは再生時の縦横比を柔軟に指定することで、黒帯部分はデータとして含めないことができるようです。
従って、黒帯部分だけファイルサイズを小さくするか、同じファイルサイズの場合は画質を向上させることができるはずです。
今回の場合、一時的にiPodで見るためだけに変換し、閲覧後には削除するので、ファイルサイズが大きかろうが構わないのですが、何事も経験を積んでおくのは悪いことではないので、黒帯部分をデータとして含まないファイルを作れているのかどうか、確認をしてみました。
私自身がKMPlayerの使い方を習熟していないため、KMPlayerの「ウインドウサイズをシネスコサイズにする」方法が分からないので、今回作られたファイルが16:9なのかシネスコサイズなのかは、KMPlayerでは分かりません。
そこで同じファイルを、QuickTimePlayerで再生してみました。
上下の黒帯がないので、どうやら黒帯部分はデータとしてファイルには含まれていないものと判断できました。
ちなみに、次のキャプチャ画面は、iPodに入れて、iTuneで再生したものです。iTune自体をこれよりも小さくできないので、動画もこのサイズですが、上下の帯がないのはQuickTimePlayerと同じです。(内部ではQuickTimePlayerと同じプログラムが動いているのでしょうから、当然でしょうが。黒っぽいコントローラは、もちろん通常は消えています。)
(クリックすると実物大のキャプチャ画像が表示されます。)
この「黒帯部分をデータとして含めない」ための設定は、HandBrakeでは、Pictureタブを開いて、Croppingを行います。なかなか良くできているのは、Automaticの設定があることです。Windows版のHandBrakeではプレビューができないので、これは助かります。
今回の変換では、このAutomaticの設定によって、上下とも56ピクセルのクロップを行いました。
これによって本当にクロッピングが行われたのかを確かめるために、敢えてCroppingをCusutomにし、値を「0」ピクセルにして変換をしてみました。
(Display Sizeが519x216となっていますが、原因は不明です。あちこちの設定を変えている内に、512となるときもあります。またHeight=216という数字設定の根拠はありません。8の倍数を選んだというだけです。前回の変換時も216です。)
さて、QuickTimePlayerでの表示の様子です。

この画面だけでは断定はできないものの、上下の黒帯がファイル内にデータとして含まれていると推測できます。
ちょっと不思議だったのは、横幅のサイズは512ピクセルで前回と同じ指定をしたのに、再生時のサイズが小さくなっていることです。プレーヤの設定はどちらもメニューの「表示」で「通常のサイズ」を選んでいます。もしかすると、これは「ファイルの指定のサイズそのまま」ではなく、プレーヤー自身の「通常のサイズ」という意味なのかも知れません。前回のファイル(黒帯なし)を再生するQuickTimePlayerと、後から作ったファイル(黒帯あり)を再生するQuickTimePlayerとを並べてみると、全く同じ高さだと分かります。

さて話をもどしますが、「黒帯入り」のつもりで作ったファイルをKPMplayerで再生するとどうなるでしょうか。

表示の縦横比が狂っており、上下の黒帯の幅がかなり広くなっていることがまず目に付きますが、その広い黒帯をよく見ると、上下それぞれで2層になっていることが分かります。内側のやや薄めの黒がどうやら「データとしてファイルに含まれる黒帯」と思われます。
以上より、今後シネスコサイズの映画をm4vファイルに変換する際には、クロップを設定することは有効であるというのが、今回学んだことです。
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追記
このページの記述の中で、HandBrakeのバージョンに関して不正確な部分がありました。関心のある方は、こちらをお読みください。
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