2012年03月29日

変なDVDディスク(2)

 先日の「変なDVDディスク」(いわば、「お化け」ディスク)のバックアップをする場合、どんなふうにしたらいいかを研究してみました。

ghost1.jpg

(これはシリーズのDVDの中で2層のもの。)

 DVD Shirinkで開こうとするとエラーが出て、内部構造を見ることさえできません。Shirink対策がなされていること思われます。
 そこで、別のリッピング用ソフトにサポートしてもらいながら、shrinkで開くと次のように表示されます。(1層のものの場合。ただし、ディスプレーの縦のサイズはそれほど大きくないので、つなげてみました。)

ghost2.gif


 そもそも、このDVDはアメリカのテレビドラマのシリーズもので、放送2話分と、他のDVDの宣伝が入っているというものです。これほど複雑な構造を持たせる必要がありません。
 しかも、ファイルの合計サイズが約15Gです。(同じシリーズのもので、「変なDVDディスク」で紹介したのは22.3Gでした。一番上の写真のもの。実は、そちらは3話分入っていました。)
 よく見ると、再生時間が3時間とか、長いものでは7時間と表示されているものが、全部で13も入っています。こんなDVDはないはずなので、shrinkが騙されていることが分かります。

 ためしにこのまま「バックアップ」をしてみると、動作が開始しますがいつまでたっても終わる気配がありません。それに、shrinkを使うのは最終的には「片面1層」に圧縮をする「研究」なので、約30%の圧縮比率をしていることになりますが、shrinkでは30%の圧縮は確か指定出来ません。45分×2(または3)の、それなりの画質のDVDを作る研究ですから、目的を達成できません。

 そこで、shrinkの使用はあきらめました。
 DVD RemakeProというソフトを使って、分析と不要な箇所の削除をしようという計画です。
 オリジナルのディスクを直接開いてもいいのですが、ドライブが壊れるのではないかというくらい、がたがたとあちこちの箇所をアクセスすることになり、時間もかかるので違う方法をとりました。
 具体的には、某リッピング用ソフトを使いながら、オリジナルのディスクをHDDにコピーをしました。サイズは、15Gとか22Gというサイズになりますから、時間もかかります。(感触としては、サイズ以上の時間がかかるという感じです。)

 HDDへのコピーが終わったら、DVD RemakeProで、構造を見てみます。通常のDVDの解析よりも時間がかかり、途中でエラー表示も何回か出ます。

ghost4.gif


 結果的には、比較的素直なDVD構造が見えました。

ghost3.gif


 ただし、ログにはInvalid block headerの文字(右側のオレンジ色の文字)が見えます。また、DVD再生のためのスクリプトのエラー箇所(左側の赤い文字の部分)もあります。

 面白いのは、ファイルのサイズは何と約3.8Gという数字が表示されることです。
 考えてみるとこのシリーズで、3話入ったものは2層、2話のものは1層なのでつじつまが合います。
 内容を調べてみると、やたらとあちこちにリンク(DVDのメニュー)が含まれています。1つの画面に数十ものリンクの埋め込まれているところもあります。
 それらは、どこからも全くリンクされていない部分(これを、shrinkでは「非参照素材」というのかも知れません。)や、DVDディスクを再生するときには一瞬表示される黒い画面で、しかもリンク箇所が黒くて見ず、操作が事実上できない箇所だと思われます。

 どうやら、通常の再生には関係のないところに不必要なメニューを埋め込み、しかもその記述に意図的な間違いを沢山埋め込んでいると思われます。shrinkなどのリッピングソフトがDVD構造を調べるときにそこでつまずくのだと思います。

 DVD RemakeProというソフトは、名前の通り、簡易的ですがDVDビデオの再編集をするためのソフトです。要らない箇所をカットしたりすることができます。メニューの構造をある程度変えたりすることもできます。
 せっかくなので、本編とは全く関係のない映像などをカットします。実際のファイルサイズも一層に十分に収まるサイズなので圧縮の必要もありません。不要な部分をカットした、DVD特有のファイル群をHDDにコピーをすれば、再編集版の完成です。
 ただし、これは2話収録の片面1層の場合です。

 3話収録の片面2層の場合は、不要な部分をカットしても4.5Gを越えてしまうので、片面1層のディスクにピーコしたい場合は、圧縮の必要が出てきます。
 そこで、再編集してできたHDD上のDVDファイル群をshrinkで圧縮しようとすると、エラーでそれができません。DVDビデオのスクリプトについての知識がないので、スクリプトのエラーを正しく書き換えられないのです。

 こんな場合はどうしたらいいのかを考えてみました。
 もちろん、2層のディスクを使えばいいのですが、1層に焼くにはどうしたらいいかを考えてみました。
 3話では入らないが、2話なら入る・・・。そこで3話のうち、1話をカットしてサイズを小さくします。これで、楽々1相違のディスクに入ります。そして、さらにもう1枚用意したディスクに、さきほどカットしたものを残し、カットしなかった2話(またはそのうちの1話)を逆にカットして書き込むというほい右方です。これにより、2枚になっていまいますが、圧縮なしのオリジナル画質のDVDができる、ということになります。

 以上、まとめると、DVDビデオの従来のコピー防止という方法ではなく、「アクセスしない箇所に、記述の間違いを意図的に埋め込む」「ファイルサイズを、大きく見せかける」という方法を使っているディスクがある、ということになると思います。


 



 

posted by kewpie at 20:31| Comment(0) | TrackBack(0) | ファイル作成
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