その番組は、「世紀を刻んだ歌」というシリーズものの再放送でした。
ボサノバのちょっと、気だるいような歌い方、メジャーかマイナーか分からないような(本当はどっちなのでしょう)メロディーが好きで、結構、道楽のパソコンをしながらのBGMに使っています。
で、どうして「イパネマの娘」が「世紀を刻んだ歌」になったのか知りたくて、最後まで見てしまいました。

この番組を見て知ったこと。
○ボサ・ノバとは、長い歴史の中で自然発生的に生まれた音楽ではなくて、ジョアン・ジルベルトらによって、ある種の曲風として、意図的に世に送り出されたものだということ。
○ "Bossa Nova"は「新しい傾向」という意味だということ。そういえば、Novaってよく耳にします。英語ならNewですね。
○「イパネマの娘」は、ジョアン・ジルベルトとヴィニシウス・ジ・モラエス(アントニオ・カルロス・ジョビンもいたかどうかは覚えていません。)が歌詞を考えているときに通りがかった、美しい娘をテーマにして歌詞が生まれたこと。そして明確なモデルが分かっていて、エロイーザ・ピニェイロという人だということ。これは意外でした。
○ジョアン・ジルベルトはボサ・ノバをあくまでも、ポルトガル語で歌うことに固執したこと。
○一方、アントニオ・カルロス・ジョビンは、世界(まずはアメリカ)に知らしめるために、英語での歌唱が適していると思っていたこと。
○その英語の歌唱での有効性を認めたのが、ゲッツというアメリカ人演奏家だということ。
○アメリカでのレコード録音の際、「イパネマの娘」の歌唱に関して、ジルベルトの妻が自分にも歌わせてほしいということを言ったのに対して、レコードでは使わない振りをしてで英語で歌ったその声を3チャンネル目に録音をしたが、実際のレコード化の際には、その歌唱も使ったこと。その結果、大ヒットとなったこと。
○ジルベルトとジョビンは、その後、一緒の活動を生涯行わなかったこと。
そんなことを知りつつ、改めて「イパネマの娘」を聞くと、関係者の一時の大きな喜びと、一方でその後の寂しい気持ちを、私自身が感じてしまいます。
再放送が、6月5日(水)午前2時00分〜(NHK BSプレミアム)にあるようなので、今度は録画をしてみようかと思います。