2013年09月04日

suicaの情報「提供」が拒否される理由は…

 suicaの情報をJR東日本が他の会社に「提供」(という言い方の販売)をしていたという報道がなされてすでに何日か経過しています。
 あらたに、昨日(9月3日)には、とりあえず「履歴販売を中止する」と発表したようです。(詳細後述)

suica-info01.gif


 JR東日本は「個人を特定できるデータの提供はしていない」と言っているが、データ提供の拒否を申し出た人は「8月29日現在で3万45件」(毎日新聞)とのことです。「情報」には「提供」されていないのに多くの人が申し出たのはなぜなのでしょう。
 私も申し出をしたいと思いますが、その理由は「個人情報が含まれているかも知れない、嘘を言っているかも知れない」という理由ではありません。

 もちろん「個人情報」だったら、拒否どころかもっと大騒ぎをしますが、それとは別の理由があります。

 それは、「提供」という名の「販売」つまり「金儲け」を無断でしていたからです。JR東日本は企業ですから金儲けは当然ですが、顧客の情報を本人に断りなく利用して金儲けをしようというのが嫌なのです。
 しかも次の図を見てさらにその気持ちが強くなりました。

suica-info02.gif

 この図自体は、
http://matome.naver.jp/odai/2137543732946919901/2137545014553265903
から持ってきましたが、「出典www.asahi.com」「朝日新聞デジタル:Suica履歴、JR東が販売 利用者に事前説明なし」と付記されているので、朝日新聞の報道の一部として用いられているのでしょう。探してみましたが、元の記事の場所が見つかりませんが、多分その出典の通りなのでしょう。

 JR東日本は「JR 東日本では、お客さまのニーズに理解を深め、サービス品質の向上と地域や駅、
沿線のさらなる活性化を図るため、Suica に関するデータを活用する取り組みを進めて
まいりました。 」「Suica に関するデータを社外に提供することによって、各駅の特性に合わせたマーケ
ティング情報が提供され、サービス品質の向上と地域や駅、沿線のさらなる活性化が図
られることを期待しています。 」などと言っています。(http://www.jreast.co.jp/pdf/20130725_suica.pdf

 しかし、「活用」「提供」(という名の販売)をした先の日立製作所の先には、さらに「一般企業」への矢印が「販売」という文字が添えられて存在します。
 転売、転売…が繰り返される前提の、その最初の「提供」はかなりの高額での販売ができると思います。

 純粋に顧客の利益のためならば無償にするか、販売の利益はユーザーに還元するか、そういう形も考えられます。(名案とは言えませんが。)


 昨日の報道は以下の通りです。

----- 引用ここから

スイカ履歴の無断販売、JR東が識者会議を設置
読売新聞 9月3日(火)19時14分配信
 JR東日本がIC乗車券「Suica(スイカ)」の乗降履歴を利用者に無断で販売していた問題で、同社は3日、月内に履歴の活用方法などについて検討する学識経験者による会議を設置すると発表した。

 結論が出るまで履歴販売を中止するという。

 冨田哲郎社長は同日の記者会見で、履歴販売について「利用者への十分な説明や周知が不足し、ご迷惑、ご心配をかけた」と謝罪。有識者会議では、履歴を活用する際の利用客への周知方法も検討するという。

 同社は7月、スイカ利用者の乗降駅や年齢などの情報を販売し始めたが、利用者から苦情が相次ぎ、販売を停止。履歴の使用を拒む利用者の申し出は今月1日現在、約3万9000件に上っている。

最終更新:9月3日(火)21時41分読売新聞

----- 引用ここまで
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130903-00000905-yom-soci

 そもそも、提供を拒否する場合は申し出てほしいなんていう連絡は私の所には来ませんでした。(Suicaの宣伝は来ていたが、見落としたのかも知れません。)
 4300万枚のカード所有者のうち、申し出たのは「約3万9000件」ですか。寛容な人が多いのか、面倒なのか、あるいは、私のように申し出のシステムを知らないからなのか。どうなんでしょう。

 提供を拒否したい人はメールで連絡せよということですが、これって最高裁判所裁判官の国民審査と同じですよね。「面倒」「分からない」という人は、「構わないってことですね」と言っているのと同じです。

posted by kewpie at 11:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/74054780
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック
コメントの投稿について
○お名前とコメント欄の記入は必須です。
○メールアドレスは任意です。記入されても公開はされません。管理人のみに知らされます。
○スパム防止のため、
・ホームページアドレス欄への記入はできません。
・コメント欄にURLは記入できません。
・スパムと思われる語を記入できません。
 これらをしようとすると、最終的に投稿完了できません。
○投稿完了後に、管理人の判断でスパムと判断した投稿は削除させていただきます。