
現在までの報道によると、自分がHIVに感染している可能性を知りながら、いや、HIV感染のつもりで、献血をしたと言うことのようです。そしてその結果、少なくとも一人の患者がHIVに感染したらしいとのことです。
酷いドナーです。他人の健康や命を犠牲にしてまで、保健所などで簡単にできるHIV検査を献血を利用して行ったわけです。また、献血前の申告でも、少なくとも2回は嘘をついていたことになります。
NHKの報道(WEB)は以下の通りです。
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HIV感染の献血 輸血の1人が感染
11月26日 15時39分
エイズウイルスに感染した人の血液が、献血の際の検査をすり抜けて2人に輸血されていた問題で、このうちの1人の60代の男性が、エイズウイルスに感染していたことが日本赤十字社の検査で分かりました。
厚生労働省によりますと、今月上旬、献血の際の検査でエイズウイルスへの感染が確認された40代の男性が、ことし2月にも献血していたため、日本赤十字社が保管していた当時の血液を精度の高い方法で調べ直したところ、この血液からもエイズウイルスが検出されたということです。
この血液は、当時の検査ではウイルスが検出されず、その後、2人に輸血されていたため、日赤が2人と連絡を取り検査した結果、このうちの1人の60代の男性の感染が確認されたということです。
もう1人については、検査中だということです。
感染した男性に対しては、国の制度で、健康管理の費用として毎月数万円が支払われる見通しです。
献血された血液に対して、日赤はエイズウイルスの遺伝子が含まれていないか検査していますが、感染後まもない時期はウイルスの量が少ないため、検査をすり抜けたとみられています。
日赤では輸血でエイズウイルスなどに感染するケースが相次いだため9年前に検査の精度を高めましたが、その後、感染が確認されたのは初めてだということで、来年夏にもさらに精度を高める方針です。
日赤の調査によりますと、献血した男性は、献血の2週間ほど前、感染のリスクがある性的な行為をしましたが、献血の際の問診では輸血による感染を防ぐために設けられている性的な行動についての質問に事実と異なる回答をしていたということで、厚生労働省は検査目的の献血だった疑いが強いとみています。
献血の際の検査でエイズウイルスに感染していることが分かっても、原則、本人に通知されないため、厚生労働省はエイズ検査を希望する場合は、保健所などが実施している無料で匿名の検査を受けるよう呼びかけています。
治療法は大きく進歩
国立国際医療研究センターの岡慎一エイズ治療・研究開発センター長によりますとエイズウイルスに感染した場合の治療法はこの10年で大きく進歩したということです。
現在は、3種類の抗ウイルス薬と薬の効き目を高める補助薬を一緒に服用する治療をエイズの発症前に始めることができれば、ウイルスを体の中から完全に無くすことは難しいものの、生涯、発症を防ぐことも可能だということです。
また、こうした治療の間、仕事を続けるなど通常の社会生活を送ることもできます。
一方、治療を始めるのが遅れ、エイズを発症してしまった場合はそのあとの治療は難しくなり、免疫が低下して命に関わる恐れも依然高いということです。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131126/t10013348401000.html
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このNHKの報道も含めて、読んだ報道で物足りないのは、「献血をしてHIVに感染していることが分かっても、絶対にドナーには知らせない」ということを述べていないことです。今回の事件ではドナー本人から事情を確認するため本人に連絡をしていますが、感染の可能性があったので知らせたわけです。
それを理解しないで、今後再び「HIV感染の検査目的で献血をする」という人が出ては困るのです。